最近「お通じの悪さ」に困っていませんか?
デスクワークなどの座りっぱなしの仕事は、腸の運動を妨げ、便を押し出すことが難しくなります。
今回の記事では、そんな「お通じの悪さ」を改善する為のヒントをまとめました。
これであなたも「快適腸生活」!?
お通じが出ない!
腸健康の重要性は?
近年問題になっている「便秘症=お通じの悪さ」。
それと同時に腸に関する健康志向の書籍やインターネットサイトが多くなりました。
「腸内フローラ」や「腸内デトックス」などの聞きなれない言葉が生まれたのも近年の事です。
そもそも腸健康が見直されている背景には次のような理由があります。
①化学技術と医療技術の進歩
②生活習慣病患者の増加
③大腸ガン(結腸ガン、直腸ガン)患者数の増加
主にこの3つです。
①化学技術と医療技術の進歩
大腸内にいる細菌の存在はこれまで当たり前のように医学界でも認識されていました。
しかし、大腸内細菌は無酸素で活動する為、研究する事自体が難しいとされてきました。
なぜなら、研究しようにも、人間から大腸菌を採取して外に出した瞬間に、酸化して死滅してしまうデリケートな細菌だったからです。
それが化学技術の進歩により、DNA検査などの方法により「大腸菌」の役割や種類などが分かってきました。
種類と数に関して言うと、およそ3万種類100兆匹以上の腸内細菌が私達人間と共存していることが判明しています。
先程述べた「腸内フローラ」はこの3万種類の腸内細菌が大腸の中にいる様子がまるで「お花畑」のように見えたことから「腸内フローラ=腸の中の花畑」と名付けられました。
そのお花畑には有名な腸内細菌達が共存しています。
代表的な名前を挙げると「ビフィズス菌」や「乳酸菌」等の体に有用な細菌から、「ブドウ球菌」や「大腸菌(有毒株)」のような体に悪い影響を及ぼす菌まで、色々な細菌が私達の腸の中に住んでいます。
お花畑というようなメルヘンなネーミングの割には、善悪入り乱れた細菌達が100兆匹!
それらの菌は私達にどのような影響を及ぼしているのでしょうか?
②生活習慣病患者の増加
「メタボリックシンドローム」や「糖尿病」を代表とした、生活の不摂生から生まれた後天的(生まれつきじゃない病気)な病気の総称です。
メタボリックシンドロームや糖尿病は「贅沢病」と呼ばれた時代もありましたね。
これらの病気の原因の一つに「腸内健康の悪化」が背景としてあります。
先程述べた「腸内フローラ(お花畑)」には良い働きをする「善玉菌」と悪い働きをする「悪玉菌」、そして普段は見て見ぬふりをしておきながら、体内の免疫力が下がると急に悪玉菌になる「日和見菌」の3つの勢力がいます。
この「悪玉菌」と「日和見菌」が腸内健康の悪化を引き起こしています。
腸内健康(腸内環境)が悪くなると、「便秘」をはじめ、外敵(ウイルスなど)に対する免疫力が低下します。
さらには、体内に既に侵入している「外敵」に対して攻撃してくれる「リンパ球」の弱体化にも繋がり、病気が治りにくくなったりします。
それが「生活習慣病」につながり、最悪の場合「不治の病・・・がん」になることも…。
③大腸ガン(結腸ガン、直腸ガン)患者数の増加
日本のがん治療の権威「国立がん研究センター」が実際にデータとしてインターネット上で公開しています。
大腸がんで亡くなる人は年々増え続けています。
おもに80歳以上の女性の死亡率が高くなっており、近年では女性のがん死亡率が最も高い割合になりました。
これらのデータから、腸健康の重要性が改めて、国を上げて見直されているのが現状です。
便秘症の方は「大腸がん」リスクが高くなることが、最新の研究で明らかになったのは皆さんの記憶に新しいと思います。
たかが「便秘」。しかし「されど便秘」です。
良い状態の腸健康の維持は、自分の生命を守る為でもあるという事がお分かり頂けたでしょうか。
便秘の種類とは?
「お通じが悪い」=「便秘」には種類があります。
上にある表が示す通り、便秘にも色々なタイプがあることが分かります。
医学用語で書かれているので、軽く説明します。
まず「器質性便秘」とは、大腸そのものが病気(事故などの外部ショック含む)や生まれつきの腸の形が通常と異なる場合に発生する便秘です。
病気やケガの場合は治療すれば治すことが可能ですが、生まれつきの場合は「便秘」とうまく付き合っていく方法を探す必要があります。
次に機能性便秘です。
「お通じが悪い」というのは、主にこの「機能性便秘」の割合が高くなります。
急性便秘は一過性で、一度出てしまえば問題のない便秘症です。
医療性というのは薬の影響で一時的に腸の働きが低下して起こる便秘症です。
こちらも、病気やケガの治療と同じように治すことが出来ます。
大事なのが真ん中の「慢性便秘」です。
この慢性便秘も、その原因から3つに分かれています。
「弛緩性便秘」は、腸内の便を排出すための筋肉が落ちて起こる便秘症です。
高齢者や、出産回数の多い女性に多い便秘症の一つです。
「痙攣性便秘」は、ストレスにより自律神経が乱れ、腸の運動がひきつったようになる症状です。
下剤の乱用で、腸が過剰運動を起こすことでも起こります。この時には下痢と便秘を繰り返すことがあります。
「直腸性便秘」は、便が排出される直前まで来ているのにかかわらず、脳へ便意が伝わらない為に起こる症状です。便意を我慢したり、浣腸を乱用したりすることで起こります。
腸内環境の悪化により起こり得る便秘の種類は、この3種類全てに当てはまります。
腸内が健康であれば、日常の便通が良くなり必要以上の筋肉を使用せずとも排便されるようになります。
お通じが出ないという現象も「ストレス」となり、自律神経を乱して腸内運動を妨げます。
便秘だからと言って、安易に浣腸薬を使用し続けると、腸内にいるはずの善玉菌を死滅させることにもなり、結果的に慢性の便秘症になります。
便秘に効くストレッチ3選
便秘だからまずは食べ物の改善からと言いたい所ですが、今現在、最も緊急なのはお腹の中にいる便です。
簡単に出来るストレッチで腸内運動を活発化させて、腸内に残る便を出しましょう。
ガス抜き体操
結構有名な便秘対処ストレッチです。
①仰向けになって寝転がる。硬い畳やフローリングの上は避け、クッション性のある布団等の上で行います。
②片足を抱え込むようなポーズを取ります。(画像の状態)
③その状態で腹式呼吸を10回行いましょう。
④終わったら、一度身体を起こし、再度寝転がって、反対の足を持ってもう一度腹式呼吸を10回行います。
⑤以上を左右両方で1セットとして3セット行います。
このストレッチでは「おなら」を出すことを目標にしましょう。
腸に外部から圧力(腹式呼吸)をかけることで、ガスを押し出して便意を促進させる効果があります。
一度だけではなく、毎日行うことで自発的な便意と腸の運動を助ける効果があります。
うつ伏せゴロゴロ体操
テレビでも取り上げられた有名なストレッチ法です。
先程のガス抜き体操で「腹式呼吸がむずかしい」という方はこちらのストレッチを行いましょう。
腸内に外部から圧力をかけるという観点では働きは同じです。
①この体操を行う際のタイミングに効果的なのは「1日一回起床した時」と「入浴後」です。
入浴後はお腹(腸内)が温まっている状態になり、中にある便も動きやすくなります。
②ストレッチ実施前に、コップ1杯の水を飲むことで腸が活発になりやすくなります。
③この体操も布団などの柔らかい床で行います。うつぶせになり、手と足をまっすぐに伸ばします。これだけで、便秘が引き起こす背中の痛みが軽減される事もあります。(血行促進による効果)
④うつ伏せ+手足を伸ばした状態で左右にゴロゴロと転がります。
左に一回転半、右に一回転半程度のゴロゴロで十分です。左右で交互に転がります。
1分間ゴロゴロを行い、1分間うつ伏せのまま休憩します。
これを3セット行います(合計6分)
早い場合は体操を行った1時間後には便意が表れてきます。
これもその時だけでなく、毎日続けることが重要です。
仕事の合間に出来る簡単ストレッチ
この体操はプロの鍼灸師が便秘対策に行うとよいとされる簡単ストレッチです。
①腰に手を当てて、足を前後に開きます。
②前の足は膝を立て、後ろの足は膝を床につけます。
③その姿勢から、腰を前に突き出すようにして、上半身を落とします。
ゆっくりと時間をかけて30秒伸ばします。
④30秒伸ばしたら、足を前後入れ変えてもう一度30秒かけて上半身を落とします。
ポイントは腰を反らさないようにしてください。
この体操は腸を動かすための筋肉「腸腰筋」を鍛えるストレッチです。
この腸腰筋を鍛える事で、腸内運動を活発化させ排便しやすい腸を作る事が目的です。
普段あまり負荷をかけない筋肉なので、最初の内は筋肉痛になるかもしれませんが、痛みを感じなくなれば、あなたも腸腰筋マスター?かも。
便秘改善で腸健康を取り戻せ!
いくらストレッチをやっても便秘が治らないという方。
食生活や睡眠時間に気を付けてください。
腸はデリケートな器官です。ストレスに弱く、栄養吸収をする為にも必要な内臓です。
食物繊維の多い食事や、規則正しい睡眠(夜に寝て、朝起きる)等は、身体の健康維持に最も重要なファクターであると言えます。
便秘が改善されて、善玉菌が増えやすい環境になれば「慢性便秘症」ともサヨナラ出来ます。
まずは、ストレッチと食生活から変えてみてはいかがでしょうか。
まとめ
腸内環境の重要性は理解して頂けたでしょうか?
ストレッチはあくまで「お通じ」の手助けです。
同じ事を繰り返すようですが、腸内環境をよくするのは、病院の治療や薬ではありません。
自分の意志で生活環境を改善することが重要です。
それが、快適腸生活にもつながるのですから。
最後までお読み頂きありがとうございました。