体が痛い・・・。腰や肩、脚の曲げ伸ばしで関節が痛む・・・。
そんなときは体が歪んでいるかも知れません!すぐに出来るストレッチで、あなたの抱える「体の痛み」を改善してみませんか?
最近体のあちこちに痛みが…これって体の歪みが原因?
腰痛持ちの方が整骨院で明かす一言。
「体が歪んでいるのがなんとなく自分で分かっている。」
何を根拠にそんな風に言うのでしょうか?
「鏡で全身を見た時に右の肩が左の肩の位置より、だいぶ下がっている」
「座るといつも同じ脚を組んでしまっている」
「まっすぐ座っているつもりでも、鏡で自分の姿を見ると、全然まっすぐ座れていなかった」
など、自分の体の癖を意識していたり、自分の体を自分自身で見て気づいたりしている人が多いそうです。
では、体が歪むとどんな影響を体に与えるのでしょうか?
体が歪むとどんな影響が?
体が歪むと以下のような症状を引き起こしやすくなると言われています。
①肩こりや腰痛・・・背骨のS字カーブが崩れると、背中の筋肉に負担がかかり、筋肉が緊張してしまい、「コリ」や「痛み」を生じさせます。
②胃もたれ・・・骨盤が前後に傾いて歪んでしまう事で起こる症状です。正常な位置で消化器官である内臓を支えることが出来なくなります。消化器官が下に下がってしまい、逆流性食道炎になる可能性もあります。
③冷え症・・・骨盤の歪みで引き起こされる症状の一つです。骨盤を「複数車線のある道路」だと例えると、「血液」である車がスムーズに通らなくなり、結果、下半身の冷え症を起こしやすくなってしまいます。
④重い生理痛・・・内臓が下がると、子宮や卵巣を圧迫し、女性ホルモンのバランスが崩れてしまいます。
その結果生理不順や重い生理痛に繋がります。
⑤胸やお尻の位置が下がる・・・猫背で胸周りの筋肉の張りがなくなり、胸の位置が全体的に下がってしまいます。また骨盤の歪みで前傾した場合、大臀筋(お尻の筋肉)が緩み、お尻の位置が全体的に下がります。
⑥脚の長さが変わる・・・骨盤の傾きで股関節の位置が変わります。すると左右の脚の長さがバラバラになってしまう事も。O脚やX脚の原因にもなり、バランスの悪い体型や姿勢になってしまいます。
これらはあくまで一例です。
また④~⑥の体型の変化は、悪い姿勢や体のバランスが崩れる事で更なる症状を生じさせることも。体の歪みの悪循環を生み出してしまいます。
体の歪みの原因は?
そもそも体の歪みはどのような原因があるのでしょうか?
さまざまな理由をまとめました。
原因①姿勢
私達の体には柔軟性というものがあります。
しかし、柔軟なはずの体は歪みます。これには大きな日頃の習慣が原因となっています。
それは「姿勢」。
姿勢が悪いと体が硬くなります。体が硬くなる原因は大きく分けて二つあります。
まずは「老化」、そして「一定の姿勢をとり続ける事」の二つです。私たちの体は「脳」が指令を出して動いているのはご存知ですよね?脳は体が感じる「楽な状態」をとるように、命令します。
しかし、「楽な状態」の姿勢ではなく、「無理な状態」の姿勢をとり続けるとどうなってしまうのでしょうか?脳はその「無理な状態」が「楽な状態」だと認識し、正しい姿勢をとると体が拒絶反応を起こすように「上書き保存」してしまいます。
それが、姿勢の悪さから来る「体の歪み」を引き起こす要因です。
体の歪みを治す為に、まずは姿勢を正しい位置に「上書き保存しなおす」必要がありますね。
原因②同一作業
これは、先程の「姿勢」とは少しニュアンスが違います。先程は「姿勢」なので、静的な状態を脳が「上書き保存」してしまう事で体が歪むという事を述べました。
この「同一作業」は反対に「動的」な要素になります。同一作業では、常に同じ筋肉を使う事で、ある筋肉だけが強化されてしまい、体のバランスが悪くなることがあります。姿勢もその同一作業と同じ癖のまま過ごすことになるので、体のバランスが悪くなってしまいますね。
ではどのようにすれば対処するべきでしょうか?
一流のアスリートは、自分のプレイに関係しない筋肉(自分の弱い筋肉)も鍛えます。
これは、体全体のバランスを整え、最高の状態で自分の強い筋肉のパワーを最大限に発揮できるようにする為です。最近では「コアマッスル」、いわゆる「体幹トレーニング」が注目されていますね。
このように、同一作業で強化される筋肉以外を鍛える事で、体のバランスを整える事が出来ます。
また、鍛えるだけでなく、同一作業を行ったあとに体の筋肉をクールダウンさせる事も重要です。小学校や中学校では、体育の時間の始まりと終わりに、「準備体操」と「整理体操」をしていた人も多いのではないでしょうか?
この終わりの時間前に行う「整理体操」が、体の歪み防止に効果的なストレッチと言うわけです。
子供の頃は、そんな整理体操の意味なんて全く説明されない(されたかも知れませんが理解していなかった)ので、ないがしろにする人も多くいると思います。
準備体操は「ケガをしないようにする為」で、整理体操は「体を壊さないようにする為」だという事です。
原因③衝撃
私たちの体は、衝撃を受けると無意識に体をかばいます。その時には普段発揮していないような強い力を出します。
いわゆる「火事場の馬鹿力」ですね。その火事場の馬鹿力は無理な体勢で体全体の筋肉を強く硬直させます。その硬直した状態が体の歪みを作る要因にもなってしまいます。
火事場の馬鹿力で出来た筋肉(体)の歪みは、二次的に体のバランスをとる為に、「時間差」で体の他の部分を歪ませます。
この「時間差」というのが、厄介な所です。
交通事故などの半年後や1年後に体の痛みを発症する方の多くが、この筋肉の歪みを持っています。
事故などで大きな衝撃を受けた場合には、すぐに症状に表れなくても、リハビリなどで定期的にケアする必要があります。
原因④体の使い方の癖
この「癖」の悪い所は「無意識」という所です。
姿勢や同一作業と同じような原因で体が歪みます。しかし「無意識」なので、原因の特定に時間がかかります。また矯正するのも時間がかかりますね。
例えば、右利き、左ききも「体の使い方の癖」があります。また、仕事やスポーツなどでも変わってきます。癖のある動きを長年続けているだけでも歪みの原因になります。
矯正するのに時間はかかりますが、日頃から自分の癖を意識する必要がありますね。
原因⑤ストレス
意外かも知れませんが、ストレスも体の歪みを引き起こす要因になります。私達の体は外的要因を受ける事で、心だけでなく、体も防衛反応を起こします。これは自分の意志とは関係なく働く人間の自然な反応です。
強いストレスが繰り返されると、アレルギー反応のように過敏に反応するようになってしまい、筋肉の緊張状態が当たり前の状態になります。
ということは、姿勢や同一作業と同じように、体を歪める原因になるという事です。体を歪めるだけではありません。強いストレスを受け続けると自律神経失調症や、うつ病などを発症する事もあります。
心の病気は徐々に体の不調にも繋がるという事を覚えておきましょう。
原因⑥内臓
一番怖いのがこの「内臓の状態で体が歪む」事です。
内臓の病気やケガなどで、筋肉と内臓が「癒着」してしまう事で起こる「体の歪み」。
癒着とは、怪我を治そうとする際に分泌される「繊維組織」により、内臓と筋肉や骨をくっつけてしまう事です。一度くっついてしまうと、骨や筋肉、内臓がお互いを引っ張り合うことになってしまいます。特に骨格筋に癒着した場合、体全体のバランスを崩すことにもなり、歪みを引き起こしやすくなります。
内臓の病気やケガなどは、将来的にも体のバランスを崩すことにも繋がりかねないので、早めの治療が必要ですね。
原因⑦気候
前述した「ストレス」に繋がるのが「気候の変化」です。
季節の変わり目や、気温、湿度、風、気圧の変化により、体調を崩す方は多いですね。それぞれの気候の変化から身を守る防衛本能が、無意識に働き筋肉を硬直(緊張)させます。するとストレス+筋肉の硬直により、体を歪める原因になります。
改善する為には、日頃の習慣を見直したり、衣服調節を早めに行ったりするなど、体や睡眠に関わる物の管理が必要になってきます。
このように現代人が抱える様々な要因が体を歪めることに繋がっていることが分かりますね。
次の項では、そんな体の歪みを矯正する為に簡単に出来るストレッチを紹介します。
体の歪み矯正ストレッチ3選
体を支えているのは「骨盤」、「骨盤を支える太もも」、「腰」、「背中」です。それぞれが体の大部分に影響を与えています。
これから紹介するのは、それぞれの筋肉を伸ばしていくストレッチです。
簡単ストレッチ①骨盤と太もものストレッチ
①太ももの筋肉を伸ばして骨盤のバランスを整えます。
②正座した状態で状態を後ろに倒します。
③無理のかからない箇所で体をキープして10秒間ストレッチをします。
※ポイント・・・太ももの前部分が伸びているのを感じればOKな状態です。
※ポイント・・・伸ばしすぎないこと。筋肉を痛めることにもなります。
簡単ストレッチ②腰のストレッチ
このストレッチで重要なのは、腰の骨や筋肉の可動範囲を広げる事です。
①足を肩幅に広げます。
②両腕を体に巻き付けて腰を左右に回していきます。
③足を動かさないように注意して背骨を軸にして回すイメージです。
※ポイント・・・ラジオ体操に同じような動きの体操があります。その動きをイメージしてやりましょう。
※ポイント・・・ラジオ体操のテンポの半分くらいのスピードで行います。
※ポイント・・・ゆっくりと行うことで、脳に動きが正常である事を「上書き保存」します。
④左右にそれぞれ10回づつ行います。
簡単ストレッチ③背中のストレッチ
歪みを整え、歪みによって負担のかかっている筋肉をほぐします。
①足を肩幅に開きます。
②バンザイの状態で手のひらを頭の上で合わせます。
※ポイント・・・左右で指先の位置が違う場合、低い側の背中の筋肉が伸びていない状態であるという事です。
③低い方の手を高い方へ、手を伸ばした状態で倒していきます。
④脇の下が伸びている事を意識してそのまま20秒キープします。
⑤最後にゆっくりと手を頭の上に戻します。
⑥バランスをとる為に逆方向へ20秒倒してキープします。
⑦最後に低い方の背中を20秒キープします。
※ポイント・・・体はまっすぐな状態にしてください。前や後ろに傾かないように意識しましょう。
※ポイント・・・呼吸を止めないようにしてください。呼吸をとめると筋肉が緊張してしまい、ストレッチの意味がなくなります。
まとめ
ここまで体の歪みの原因や影響、そして簡単なストレッチまでを紹介してきました。
体の歪みが引き起こす諸症状もそうですが、筋肉の緊張がもたらす「体の歪み」というのも意外に怖いものですね。
ストレッチは痛いときだけではなく、毎日継続しましょう。
体の歪みを治す為には、日頃の体の動きの習慣を変える事が、もっとも簡単です。
どうしても痛みが取れない場合などには専門医の診療を受けましょう。