腰痛に悩む皆さんに質問です。症状は腰痛だけですか?他にも肩のコリや、偏頭痛、女性であれば重い生理痛なども悩みの種と言う方・・・。
「骨盤の歪み」が関係している可能性が高いです。当記事では、骨盤の歪みと腰痛について解説していきます。
腰痛対策のストレッチやエクササイズも合わせて紹介していきますので、腰痛に悩む方は必見です。
まずは正しい理解から、骨盤の役割を理解しよう
どうして骨盤の歪みが腰痛の原因になるの?
そもそもなぜ骨盤が腰痛の原因と言われるようになったのでしょうか?
私達人間は、身体の箇所に痛みを感じると、それをカバーするように「姿勢」や「生活習慣」を変えます。それだけではありません。身体の中でも自動的に楽な状態になろうと、骨組織や筋肉にも変化をもたらします。
特に顕著なのが、「骨盤」です。骨盤から引き起こされる腰痛や肩痛などは、体のバランスを崩します。バランスを元に戻す為に骨盤以外の箇所に新しい「歪み」を作って無理やり姿勢や体勢を修正します。それが、結果的に「腰痛」や「背中痛」など様々な症状を引き起こす原因になってしまうのです。
あなたは大丈夫?骨盤の歪みチェック法
まずは自分の骨盤が歪んでいるかをチェックしましょう。
下記に骨盤が歪んだ際に起こる症状についてチェックリストを掲載しました。自分に当てはまる症状があればYESに〇を付けてください。
結果・・・YESが5個以上~10個以下→「多少の歪みがある可能性あり」、10個以上→「歪んでいる可能性あり」
このチェックリスト以外でも骨盤の歪みを確認する方法があります。
今から紹介するセルフチェックでは、歪みの有無の他に、歪みの種類もある程度判別する事が出来ます。骨盤は大きく分けて4種類の歪みがあります。
①左右の歪み
②ねじれ
③開き
④傾き
の4種類です。それぞれの歪みが複合されて、症状を起こしています。
①・・・【左右の股関節のズレ】
- 自然に力を抜いた状態で脚を延ばします。
- その際に足の開きの角度に注目してください。
綺麗なV字になっていれば問題ありませんが、どちらか一方が閉じすぎ、開きすぎの場合には、「股関節のズレ」の可能性があります。
②・・・【骨盤の左右のねじれ】
- 正座をして目を閉じます。
- そのままの状態で両手と体を左右へ振ってください。
- 正面を向いたと思った所で目を開けてください。
正面と思って目を開けた場所が正しい位置でなかった場合、骨盤のねじれが発生している可能性があります。
③・・・【骨盤の開き】
- 仰向けの状態で寝転がります。その状態のまま膝を立ててください。
- その膝を図のように左右に倒します。
- この時はゆっくりと膝を倒してください。
倒しにくいと感じる場合、骨盤の左右の開きに差がある可能性があります。
④骨盤の傾き
- 壁に後頭部、お尻、かかとをつけて立ちます。
腰と背中の空いたスペースに拳が入ると、骨盤が前傾している可能性が。拳ではなく、手のひらが全然入らないという場合は、骨盤が後傾していいる可能性が高まります。
以上の状態を確認し、自分の歪みの有無と歪みの種類を把握しましょう。
骨盤が原因じゃない腰痛について
あまり知られていませんが、腰痛には種類があります。腰痛は大きく分けて以下の4タイプに分かれます。
①病気と診断出来ない腰痛
②腰の病気による腰痛
③内臓の病気による腰痛
④心理的要因による腰痛
この4つです。
①は非特異的腰痛とよばれ、様々な外科的要因が複合されて生じる腰痛です。ほとんどの方が、この「非特異的腰痛」にかかっていると言われています。骨盤が関係している腰痛は主に、この「非特異的腰痛」の部類に入ります。
②、③の骨盤に関係していない病気の場合には特に注意が必要です。腰の病気と言えば「椎間板ヘルニア」や「骨粗しょう症」等が有名ですね。これらの病気は外科手術や投薬治療によって改善させることが出来ます。(出来ない場合もあります。)
しかし、内臓の病気の場合、原因の特定が遅れる事で重篤な状態になっている可能性も。それが将来日本人の2人に1人が罹ると言われている「ガン」です。ガンで痛みを感じる時は、病気が進行している状態です。そうなる前に、健康診断や人間ドックなど、専門医の定期健診で身体をチェックする習慣がとても重要です。
④に関して近年の研究では、心の問題が痛みを引き起こす可能性もある事が分かっています。例えば原因が特定されている「椎間板ヘルニア」でも、痛みを強く感じる人と、痛みをあまり感じない人がいます。これには脳内物質の「ドーパミン」が影響しています。
「ドーパミン」は痛みをコントロールする機能を持っています。
実際にはものすごく痛いはずなのに、ドーパミンが大量に分泌されている事で、身体が感じる痛みを抑制してくれています。これは全ての人間に備わっている機能で、大人や子供に関係なくドーパミンによる痛み抑制システムを持っています。
しかし、日常的にストレスを受け続けていると、脳内物質のバランスが崩れてしまい、このシステムが正常に機能しなくなってしまいます。ドーパミンの分泌量が少なくなってしまい、結果的に痛みを抑制することができなくなります。ますます感じる痛みがストレスになり、ドーパミンの分泌がさらに少なくなってしまいます。これが腰痛の慢性化する原因です。
原因が特定できない腰痛もこの「悪循環」の影響を受けていますので、痛みを感じたら病院の診察を受け、適切な治療を施す必要がありますね。
骨盤をケアすることで腰痛は改善する?
先程の①の症状であれば、継続して骨盤をケアすることで、症状を完治もしくは大幅な痛みの緩和をさせることは出来ます。
背骨や頸椎など、骨盤の歪みを起因とした痛みも合わせて治療出来ます。
しかし②、③、④は骨盤のケアで症状が緩和されることがあっても完治はしないというのはお分かりだと思います。その場合には早めの診察を受けるようにしましょう。
腰痛改善に効果的なエクササイズに挑戦!
それでは骨盤の歪みに起因する腰痛対策のエクササイズをご紹介します。
腰痛予防に効果的なエクササイズ
腰痛予防に最も効果的なエクササイズと言っても、どこの筋肉を鍛えるかを知らなければ、単なる筋トレになってしまいます。目的をしっかり持ってエクササイズをする事の重要性を理解してください。
一番重要な筋肉は「体幹(インナーマッスル)」です。この筋肉が弱ると、腰の筋肉の負担が大きくなり、それが痛みとして身体に表れてきます。
基本的で簡単な「体幹トレーニング」がこちらです。
【腹式呼吸】
腹式呼吸は何も声を大きく出すための呼吸法ではありません。
体幹を構成する筋肉を刺激して、働き自体を円滑にする為の基本的なトレーニングでもあります。
①仰向けで寝転がり、膝を立てます。
②お腹に手を当て、息を吐きながら「意識して」お腹をへこませます。
③10秒以上かけて、腰を床に押し付けるようにします。
※ポイント:細く、長く息を吐くようにしましょう。
※ポイント:慣れてきたら、20秒、25秒と息を吐く時間を長くしていきましょう。
5回1セットで3セット行います。
たったこれだけの呼吸法でインナーマッスルが鍛えられます。
腰痛になってからでもできるエクササイズ
いま腰痛を持っている方向けのストレッチです。
これには「背中~腰」という部分と「腰~お尻」の二つの箇所の痛みを軽減するやり方があります。
①背中、腰のストレッチ
①仰向けになり、両膝を曲げて両手で抱えるようにしてキープします。
②両膝を胸側に引き寄せます。
③引き寄せながら、背中を丸めるようにして上半身をゆっくりと起こします。
④5回1セットで3セット行います。
効果:背中の筋肉に刺激を与え、筋肉をリラックスさせる効果があります。
また、腰部分(骨盤)に負荷を与える事で、骨盤の歪みを矯正する効果も。
骨盤の歪み対策にもなるストレッチです。
②腰~お尻のストレッチ
①仰向けになり膝を立てます。
②頭と背中は床につけたままで両膝を両手で抱え込みます。
③抱え込む→離す。この動作を繰り返します。
④5回1セットで3セット行います。
効果:お尻部分の筋肉をリラックスさせます。腰を支えている筋肉は臀部(お尻)にあります。
この筋肉は足からの衝撃を和らげるクッションの役割を持っています。
お尻の筋肉が硬いと、走ったりしたときの腰への衝撃が強くなり、慢性的な痛みになる場合があります。
腰痛を悪化させないために気を付ける生活習慣について
いくらエクササイズをしても生活習慣に変化がなければ、同じような痛みが再発する事もあります。
そうならない為に、どのような生活習慣に気を付けるべきなのでしょうか?
特に重要なのは、やはり「姿勢」です。猫背や反り腰は骨盤への負担が大きく、背骨の湾曲などにも関連してきます。座っているときの姿勢は特に意識すべきです。他にも、「肩掛けカバンを同じ肩にばかり掛けている」とか、「椅子に腰かける時に必ず同じ脚ばかりを上にして組んでしまう」等は骨盤の歪みに直結する悪習慣なので注意が必要です。
まとめ
骨盤と腰痛の関係はご理解頂けましたか?
もちろん最初の方で述べた通り、骨盤が原因ではない腰痛もあります。しかし、骨盤の歪みが多くの症状に関連しているのは事実です。仕事環境や生活の質を上げる為にも、「腰が痛い・・・」という苦しみから解放されるように、日々の努力をしていかなければなりません。
是非、当記事で紹介したエクササイズを実践し、腰痛に悩まされる事のない生活を送りたいものです。