腰が痛い!原因は分からないけど、すぐにこの激痛を軽減したい!すぐに効果が表れるストレッチ方法が知りたい!
そんな人は多いと思います。今回は、腰痛の原因を知るところから、腰痛軽減のストレッチまでをまとめました。
急な腰痛?その原因は…。
日本人にとって腰痛は男性で1番目、女性でも肩こりに次ぐ2番目に多い症状です。
また、その患者数は年々増加傾向です。(厚生労働省の平成25年調査時)
腰は腰椎(ようつい)と呼ばれる5つの骨がブロックのような状態で構成されています。
腰痛の多くは、この「腰椎」に多大な負荷がかけられたり、障害が起きたりすることで発症します。
その他にも、さまざまな要因が腰痛の発症に関わっています。
腰痛の正しい知識とは?
腰痛の原因は人それぞれです。しかし、腰痛の原因が特定できる人はわずか「15%」程度と言われています。腰痛の原因となる病気は大きく2つの症状に分けられます。しかし残りの85%は特定が難しいとされています。ここでは腰痛の原因となる症状、事柄をまとめました。
原因①腰椎を直接障害するもの
原因が特定できる腰痛①
まずは原因が特定できる腰痛のひとつ目「腰椎を直接障害するもの」はどんな症状があるのでしょうか?
病気やケガでは「背骨の骨折」や、「椎間板ヘルニア」などの腰椎に異常を生じさせるものがあります。
重篤な病気として、骨への細菌感染やがんの骨転移などの危険な病気の可能性もあります。
このことから、「たかが腰痛」と思わず、早めに医師の診断を受ける必要もあるという事を覚えておきましょう。
原因②内臓の周囲にある神経を刺激するもの
次にふたつ目の原因「腰椎を障害しないが、内臓の周囲にある神経を刺激するもの」があります。
俗に言う「神経痛」が挙げられますね。座ると激痛が走り、腰だけでなく、脚にもしびれや痛みを生じさせる「坐骨神経痛」が有名です。
内臓疾患で腰痛を生じさせる場合もあります。
例えば「胃潰瘍」等の消化器系の病気、尿管結石などの泌尿器系の病気、子宮筋腫などの婦人科系の病気等があります。その他にも解離性大動脈瘤などの循環器系の病気も忘れてはいけません。
これらの病気が臓器周辺の神経を刺激して、腰痛を引き起こしている場合もあります。
原因が特定できない腰痛だと判断するにはレントゲンなどの画像検査を行う必要があります。
画像検査で原因が分からない場合には以下のような原因が考えられます。
原因③身体的影響
生活習慣病と関連付けられている場合がほとんどです。
例えば、「デスクワーク」などの長時間同じ姿勢でいる仕事をしている人も、身体的影響を受けている腰痛持ちが多いです。
ただ単にデスクワークだけで腰痛になるわけではなく、それに加えて「運動不足」や「肥満」などの身体的影響が複雑に絡み合って腰痛になっている場合があります。
原因④心理、社会的影響
近年の研究では、心の問題が痛みを引き起こす可能性もある事が分かっています。
例えば原因が特定されている「椎間板ヘルニア」でも、痛みを強く感じる人と、痛みをあまり感じない人がいます。これには脳内物質の「ドーパミン」が影響しています。
「ドーパミン」は痛みをコントロールする機能を持っています。
実際にはものすごく痛いはずなのに、ドーパミンが大量に分泌されている事で、身体が感じる痛みを抑制してくれています。これは全ての人間に備わっている機能で、大人や子供に関係なくドーパミンによる痛み抑制システムを持っています。
しかし、日常的にストレスを受け続けていると、脳内物質のバランスが崩れてしまい、このシステムが正常に機能しなくなってしまいます。ドーパミンの分泌量が少なくなってしまい、結果的に痛みを抑制することができなくなります。ますます感じる痛みがストレスになり、ドーパミンの分泌がさらに少なくなってしまいます。これが腰痛の慢性化する原因です。
原因が特定できない腰痛もこの「悪循環」の影響を受けていますので、痛みを感じたら病院の診察を受け、適切な治療を施す必要がありますね。
原因⑤神経の障害
先程の腰椎周辺の神経だけではありません。肝心の腰椎部分の神経に異常が見当たらないのに、腰痛がある場合は、腰を支える脚の神経障害なども考えられます。
脚の痛みがひどく、痛みを緩和する為に自分では無意識の内に腰に負担を与えている事もあるようです。
腰痛が慢性化すると…?
急な腰痛、例えば「ぎっくり腰」などは病院の治療で回復する事が出来ます。
しかし、良く言う「ぎっくり腰がくせになる人」というのは実際に存在します。
では腰痛が慢性化する要因とは一体何でしょうか?
①運動不足(筋力不足)
②神経過敏
主にこの2点が挙げられます。
①の運動不足というのは、腰痛によって痛みを経験した人が、同じ痛みを繰り返したくないが為に、運動の頻度が減ってしまう事です。運動不足は筋力の低下につながります。
筋力が低下すると腰椎付近の筋肉や、腰を支える臀部(お尻)の筋肉が落ち、「ぎっくり腰」になりやすくなります。このような状態を「腰痛の悪循環」と言います。
②の神経過敏も同じような「腰痛の悪循環」を引き起こします。
腰痛で身体を動かさないと、それが精神的なストレスになります。ストレスが続くと、痛みを抑制する脳のシステムが機能しなくなり、神経過敏の状態になります。
神経過敏になると、少しの痛みでも大げさに痛みを感じるようになってしまい、ますます身体を動かさなくなってしまいます。
痛みにより、日常的に湿布薬を使用している場合もこの「神経過敏」の状態に似ています。
湿布等を使い続けることにより、湿布薬の効果に慣れてしまい、効果が十分に発揮できない状態になります。
このように「腰痛の悪循環」は色々な行動によって慢性化の原因になってしまいます。
痛みが慢性化する前に、早めの診療を受けるようにしましょう。
重大な病気のサインかも…?
先程述べた「内臓周辺の疾患」ですが、逆に言うと腰痛=重大な病気のサインでもあります。
特に重篤になりやすい「骨の病気」や「がん」などの初期症状でも腰痛が発生する場合があります。
いくつか重大な病気とその初期症状(腰痛に関連する)を上げてみます。
①細菌感染…骨などに細菌が感染する。夜寝ている時にも痛みがあり、徐々に痛みも強くなる
②がん…死亡率№1の難病。細菌感染の症状に酷似しており、同じように寝ているときにも痛む
③消化器系・・・胃潰瘍、胆石、乳がんなどが挙げられ、食事をすることで腰痛が発生する場合がある。
④泌尿器系・・・尿管結石、腎炎などがあり、排尿時に腰痛を伴う。
⑤婦人科系・・・子宮筋腫、子宮内膜症など、生理中に腰痛を伴う。
これらの他にも様々な重篤な病気が関連している場合が多い「腰痛」。
たんなる「疲れ」や「ぎっくり腰」と安易に判断するのではなく、「何かあるかもしれない」と感じる場合には、早めの診察をしたほうが良いかも知れませんね。
腰痛対策ストレッチ3選
腰痛のストレッチは、腰の部分の筋肉を伸ばしたり、ひねったりするだけと思っている人は多いと思います。
しかし、実際には股関節周辺の筋肉をストレッチしなければ、慢性的な腰痛は改善されません。
ストレッチの本当の意味を知らない状態で行ってもあまり効果が得られないことを知っていますか?
イメージトレーニングと同じように、腰痛軽減の効果を意識してストレッチを行うことで、身体の回復機能が飛躍的にアップし、腰痛から守ってくれます。
ストレッチを行う理由や、必要性を理解することが重要です。
今から紹介する腰痛ストレッチは激しい痛みのある方向けではありません。激しい痛みの場合、ストレッチすら出来ない状態なはずです。そんな場合は医師の診察を受け、適切な処置をすることが重要です。
なんか最近腰が痛いな~と思っている方向けの簡単なストレッチをご紹介します。
お腹のストレッチ
①うつ伏せになり手のひらを床に向けます。
②両腕を頭のほうに伸ばします。
③腕が90度程度になるまで両肘を曲げながら、ゆっくりと上半身を起こします。
④この一連の動きを5回1セットで3セット行います。
効果:お腹周辺の筋肉の弛緩が目的のストレッチです。
腰回りの筋肉がこり固まっている事で、急な運動や、荷物の上げ下げによる「ぎっくり腰」の予防にもなります。
背中、腰のストレッチ
①仰向けになり、両膝を曲げて両手で抱えるようにしてキープします。
②両膝を胸側に引き寄せます。
③引き寄せながら、背中を丸めるようにして上半身をゆっくりと起こします。
④5回1セットで3セット行います。
効果:背中の筋肉に刺激を与え、筋肉をリラックスさせる効果があります。
また、腰部分(骨盤)に負荷を与える事で、骨盤の歪みを矯正する効果も。
骨盤の歪み対策にもなるストレッチです。
腰~お尻のストレッチ
①仰向けになり膝を立てます。
②頭と背中は床につけたままで両膝を両手で抱え込みます。
③抱え込む→離す。この動作を繰り返します。
④5回1セットで3セット行います。
効果:お尻部分の筋肉をリラックスさせます。腰を支えている筋肉は臀部(お尻)にあります。
この筋肉は足からの衝撃を和らげるクッションの役割を持っています。
お尻の筋肉が硬いと、走ったりしたときの腰への衝撃が強くなり、慢性的な痛みになる場合があります。
まとめ
簡単なストレッチ方法は、腰痛対策として日々継続することがとても重要です。
ストレッチをしているのに、腰痛が良くならない場合は、病気等のサインの可能性もあります。
そのような症状がある場合には早めの診察をオススメします。
腰痛の恐ろしさをしっかりと頭に入れて、腰痛対策を行うことが最も重要ですね。
最後までお読みいただきありがとうございました。